小袖のこと
今日12月10日はわが家にとって大切な日です。あまぐりと一緒にわが家にやってきた小袖の命日なのです。小袖は淡い柄がとても綺麗なパステル三毛の女の子でした。とにかく好奇心旺盛のお転婆娘。いつも全力で駆け回り、目に映る物は全て触らずにはおられず、爆音ゴロゴロでくっつき虫だった小袖。
そんな小袖ですが保護された時はとうてい三毛猫とは思えないくらいに真っ黒に汚れており、近所のおばさんに殺虫剤を振りかけられていたそうです。小袖が保護されたのは、僕らがあまぐりとの面会に行く前日のことでした。
最初はあまぐりだけを迎え入れるつもりだったのですが、真っ黒な子猫のことがとても気になっていて、タイミング的にも運命を感じて、あまぐりと一緒にトライアルさせてもらうことになりました。家に来ると、怖くて隠れたままのあまぐりとは対照的で、元気いっぱいのいたずらっ子で(これから毎日が騒がしくなるなぁ)と思ったのを覚えています。
その小袖がある朝急に容体が悪くなり、あっという間に星になってしまいました。原因は急性腎不全でした。二つある腎臓のひとつがおかしくなっても、残りのひとつが限界に来るまで普通に過ごしている。猫とはそういう生き物だそうです。エコーの検査では尿管にびっしりと石が詰まっていました。まだ生後6ヶ月齢でこの様な状態になるのは生まれ持った体質のせいではないかと言われました。そういった体質上、今その石を除去しても数年ごとに開腹手術をしてその都度溜まった石を除去する必要があったかもしれないという事でした。この子の運命といえばそうかもしれませんが、あまりにも酷すぎます。無力な自分が悔しくて悲しくてやりきれない思いでした。
トライアル期間中に星になってしまったけれど、僕等は小袖のことをうちの子として正式譲渡してもらうことにしました。家猫として、僕らの家族として送り出してあげたかったのです。もう血液の流れることのない小袖の耳は貝殻のようにつややかで綺麗でした。「小袖はうちの子。そしてここは小袖のおうち。これからもそばにいておくれよ。」たったの三週間でしたが、まるで嵐のような存在だった小袖は、きっとたくさんの暖かさや幸せを知って過ぎ去っていきました。できるならその幸せの中にずっといたかったと思います。そんな小袖の思いも背負って僕らは今日もネコライフを過ごしています。みんなうちの子になってくれて本当にありがとう。あれから一年、今日は小袖のことをたくさん思い出しながらお酒を飲もうと思います。
↓あまぐりと小袖の保護主さんの当時のブログです。是非ご覧になってください。
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