ポジショニング

毎日のごはんの時間。それすなわち腹ペコたちとの戦いの時間。

我が家の腹ペコ達は年齢や体型が異なるためそれぞれ別のごはんを食べている。体重が増えてきた三毛腹ペコには体重ケアのものを、10歳の渦巻腹ペコにはシニアのものといったぐあいに。ただ腹ペコたちにはその自覚が無いため、ついつい目の前に現れたごはんにがっついてしまう。ひとつのお皿にふたりで顔をつっこんだり、逆のお皿で食べたりするので放っておくとせっかくごはんを分けている意味がなくなってしまう。それを解消するにはそれぞれのお皿にうまく誘導する力、いわゆる誘導力が必要なのだ。まだ多頭飼育の経験が浅いため(誘導歴2ヶ月弱)今はまだ誘導員見習いくらいだけどやるしかない。もたもたしていると三毛腹ペコにふくらはぎをかまれる事もあるけれど、最近はようやくコツをつかんできたのでぴたりと決まるようになってきた。こんな感じに。

見事なポジショニング。

この光景をニヤリとしながらしばらく眺める。

ひと仕事決めた感。

ゴールへ繋がるパスを出した感。

きわどいタッチアップで生還した感。

レジで小銭ぴったり出した感。これは違うな。

それにしてもとても美しいポジショニング。

なぜふたりとも斜めなのかはさておき。

「カリカリカリカリ」

静かな部屋で腹ペコ達の食べる音だけが鳴り響く。一生懸命食べる姿をそっと見守る。見守られながら食べることが腹ペコ達は少し嬉しそう。腹ペコから猫にもどるとそれぞれお気に入りの場所へ移動して毛繕いをはじめる。僕の顔はずっとずっとニヤけたまま。



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